技能実習と特定技能

技能実習と特定技能の7つの違い

1.制度の目的の違い

2.受け入れ可能な業界・職種の違い

3.在留期間の違い

4.受け入れできる人数の違い

5.家族帯同についての違い

6.転職できるかの違い

7.仲介役の違い

    1.制度の目的の違い

    技能実習の制度の目的は「日本の技能・技術・知識の移転を通じた国際貢献」であり、労働力を目的としてはいません。

    一方、特定技能は2019年に人手不足を補うために設けられた在留資格になります。

    特定技能は日本で不足している労働力を確保するための手段としての制度ですが、技能実習はあくまでも日本の技術移転による国際貢献が目的の制度であるところが大きく違います。

    技能実習

    • 日本の技能・技術移転による国際貢献が目的

    特定技能

    • 日本の人手不足を特定技能で補うことが目的

    2.受入れ可能な業界・職種の違い

    技能実習と特定技能では、受入れが可能な業界・職種も違います。技能実習では、86職種・158作業で受入れ可能(2022年6月6日時点)ですが、特定技能では合計14分野での受入れが可能です。

    技能実習生は2号を修了すれば特定技能に移行することも可能ですが、特定技能の職種はまだ少ないため、技能実習から特定技能に移行できない業種・職種もあります。

    3.在留期間の違い

    技能実習の場合1号~3号で最長5年間は日本に在留することができます。ただし、在留資格の変更には試験に合格しなければなりません。

    一方、特定技能は1号であれば通算5年間日本で働くことができます。また、まだ整備が整っていませんが、特定技能2号になり条件を満たせば永住することも可能になります。

    技能実習

    • 技能実習1号:1年以内
    • 技能実習2号:2年以内
    • 技能実習3号:2年以内(合計最長5年)

    特定技能

    • 特定技能1号:通算5年
    • 特定技能2号:更新制限なし(永住可)

    技能実習2号を修了すれば、特定技能への移行も可能となるため、技能実習と特定技能の在留期間を合わせれば最長10年間日本に在留することもできます。

    4.受入れできる人数の違い

    技能実習と特定技能では受入れできる人数枠にも違いがあります。

    技能実習

    • 人数枠の上限あり

    特定技能

    • 人数枠の上限なし(介護分野、建設分野を除く)

    技能実習の場合、常勤職員の総数に応じた人数枠の上限がありますが、原則人数枠の上限はありません。受入れできる人数に関しては、特定技能の方が制限がないため多くの人を雇用できます。

    5.家族帯同についての違い

    家族帯同、つまり自分の家族を日本に連れてきて一緒に住めるかどうかですが、技能実習も特定技能(特定技能1号)も認められていません。しかし、特定技能2号に限って言えば、配偶者と子供を母国から呼び寄せて一緒に住むことは可能です。

    技能実習

    • 不可

    特定技能

    • 特定技能1号:不可
    • 特定技能2号:配偶者と子供であれば可

    6.転職できるかの違い

    雇用契約を結ぶ企業側からしたら、技能実習生や特定技能の転職事情がどうなのかは気になるところだと思います。

    技能実習生は制度上、労働が目的でないため原則転職は認められていません。ただし、技能実習2号から技能実習3号に移行するタイミングでは実習生の希望で転職することは認められています。

    つまり、技能実習生は2号修了までの3年間は転職はできないということになります。特定技能に関しては、労働者と同じなので転職の自由が認められています。

    技能実習

    • 原則認められないが、2号から3号へ移行時には転職可能

    特定技能

    • 転職は自由に可能(日本人と同じ)

    7.仲介役の違い

    技能実習と特定技能では仲介役が異なります。技能実習では監理団体が、特定技能では登録支援機関がそれぞれサポートを行います。

    監理団体と登録支援機関の大きな違いとしては、監査の有無があります。技能実習では監理団体が3か月に一度、技能実習が適正に行われているかどうか監査は行いますが、特定技能の登録支援機関では監査の義務はありません。

    技能実習

    • 監理団体
    • 非営利でしか認可されない

    特定技能

    • 登録支援機関
    • 民間・個人事業主でも新規参加可能

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