【2026年6月施行】工業製品製造業分野に新7業務区分が追加|経産省『外国人受入れ可能な産業分類・業務区分』の最新情報を行政書士が解説

2026年5月18日、経済産業省が「工業製品製造業分野で外国人の受入れ可能な産業分類・業務区分」のページを更新し、特定技能制度・育成就労制度における製造業分野の最新の受入れ要件が公表されました。

特に注目すべきは、2026年1月の閣議決定により業務区分が拡大した点です。新たに追加された7区分は、2026年6月1日以降、一定の条件下で在留諸申請が可能となります。

この記事では、行政書士・外国人雇用労務士の視点から、製造業で外国人材を受け入れたい企業が知っておくべき最新の制度内容を、分かりやすく解説いたします。

【ご注意】 本記事は2026年5月時点の経済産業省公表情報に基づいて執筆しています。最新情報は経済産業省の公式ページをご確認ください。

目次

経産省が示す「外国人受入れ可能な産業分類・業務区分」とは

工業製品製造業分野で外国人材を受け入れる際、企業はまず「自社が受入れ対象となる事業所の産業分類に該当するか」と「外国人に従事させたい業務が認められた業務区分に該当するか」の両方を確認する必要があります。

経済産業省は、この2つの組合せを以下の通り整理しています。

  • 事業所の産業分類: 外国人が就労する事業所が、告示で定められた産業分類に該当するか
  • 業務区分: 外国人が従事する業務が、分野別運用方針で定められた業務区分に該当するか
  • 受入れ対象: 上記2つが「重なる」場合に、その外国人を当該事業所で受け入れることが可能

この考え方は、特定技能制度・育成就労制度に共通する基本的な枠組みです。製造業で外国人を雇用する際の前提となる重要な整理ですので、まずはこの構造をご理解ください。

受入れ対象となる事業所の産業分類

工業製品製造業分野で外国人を受入れ可能な事業所の産業分類は、告示で定められています。経済産業省の公表内容によると、制度ごとの分類数は以下の通りです。

  • 育成就労外国人を受入れ可能な事業所の産業分類: 76分類(2027年4月1日以降)
  • 1号特定技能外国人を受入れ可能な事業所の産業分類: 76分類(2026年6月1日以降)
  • 2号特定技能外国人を受入れ可能な事業所の産業分類: 46分類(2026年6月1日以降)

ご自身の事業所が受入れ対象となる産業分類に該当するか否かは、経済産業省が案内する「対象となる産業分類一覧」のサイトから検索して確認することができます。

なお、「中分類11 繊維工業」「中分類15 印刷・同関連業」「小分類484 こん包業」で特定技能外国人を受け入れる場合には、製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会において協議が調った事項に関する措置(製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会決定第1号)が別途必要となります。これらの業種で外国人材の受入れをご検討の方は、特に注意が必要です。

業務区分は17区分に拡大 — 2026年1月閣議決定の追加内容

工業製品製造業分野で外国人が従事できる業務区分は、分野別運用方針で定められており、現在以下の通りとなっています。

  • 育成就労外国人: 17区分
  • 1号特定技能外国人: 17区分
  • 2号特定技能外国人: 3区分

17区分の一覧は以下の通りです。

  1. 機械金属加工
  2. 電気電子機器組立て
  3. 金属表面処理
  4. 紙器・段ボール箱製造
  5. コンクリート製品製造
  6. RPF製造
  7. 陶磁器製品製造
  8. 印刷・製本
  9. 紡織製品製造
  10. 縫製
  11. 電線・ケーブル製造
  12. プレハブ住宅製品製造
  13. 家具製造
  14. 定形・不定形耐火物製造
  15. 生コンクリート製造
  16. ゴム製品製造
  17. かばん製造

このうち、2026年1月の閣議決定で新たに追加されたのは以下の7区分です。

  • 電線・ケーブル製造
  • プレハブ住宅製品製造
  • 家具製造
  • 定形・不定形耐火物製造
  • 生コンクリート製造
  • ゴム製品製造
  • かばん製造

これにより、従来は対象外だった分野でも、外国人材の受入れの道が開かれました。

なお、2号特定技能外国人の対象は機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理の3区分です。長期就労を視野に入れる場合は、これらの区分での経験が前提となります。

新規追加7区分はいつから在留申請できるのか

2026年1月閣議決定で追加された7区分について、在留諸申請が可能となるタイミングには注意が必要です。経済産業省の公表内容を整理すると、以下のようになります。

  • 原則: 経済産業省告示が施行され、かつ特定技能評価試験が実施された段階で、地方出入国在留管理官署への在留諸申請が可能
  • 例外: 業務区分に対応する技能実習2号を良好に修了した者は、経済産業省告示が施行される2026年6月1日以降、在留諸申請が可能

つまり、評価試験のスケジュールを待たずに在留諸申請ができるのは、対応する技能実習2号を修了している方に限られます。それ以外の方は、評価試験の実施スケジュールを経済産業省・関係機関の発表で確認する必要があります。

製造分野特定技能試験は、国内試験・海外試験ともに実施されており、最新の試験日程は経済産業省の「製造分野特定技能試験」案内をご確認ください。

特定技能と育成就労 — 「主たる技能」の考え方

経済産業省が公表する業務区分表では、育成就労の「主たる技能」に含まれない業務が一部存在することが示されています(経産省ページでは青字で表記)。

これは、育成就労制度が「人材の確保と育成」を目的として2027年4月1日に施行される新制度であることに関連します。育成就労では、原則として「主たる技能」として定められた業務を中心に従事させる必要があり、附帯的な業務はあくまで補助的な位置付けとなります。

一方、特定技能制度では業務区分内の業務であれば原則として制限なく従事可能ですが、業務範囲の解釈については個別に出入国在留管理庁の判断が必要となるケースもあります。

具体的にどの業務が「主たる技能」に含まれ、どの業務が含まれないのかは、経済産業省が公表する業務区分表をご確認ください。実務上の判断にあたっては、行政書士などの専門家にご相談されることをお勧めいたします。

製造業で外国人材を受け入れたい企業がすべき準備

これから工業製品製造業分野で外国人材を受け入れる、もしくは既に受け入れている企業がやるべきことを整理いたしました。

1. 自社の事業所の産業分類を確認する

まずは、自社の事業所が告示で定められた産業分類(76分類または46分類)に該当するか確認しましょう。経済産業省が案内する「対象となる産業分類一覧」サイトから検索可能です。

2. 雇用したい外国人の業務が業務区分に該当するか確認する

次に、外国人に従事させたい業務が、17区分(1号特定技能・育成就労)または3区分(2号特定技能)に該当するかを確認します。とくに2026年1月追加の7区分は、対応する評価試験の実施スケジュールに注意が必要です。

3. 適用される制度を選択する

特定技能(1号・2号)か育成就労かを、外国人本人の経歴・在留期間の希望・採用後のキャリアパスを踏まえて選択します。育成就労制度は2027年4月1日施行のため、それ以前は特定技能制度での受入れが中心となります。

4. 協議会措置が必要な業種か確認する

繊維工業・印刷及び同関連業・こん包業で特定技能外国人を受け入れる場合は、製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会で定められた措置が必要です。該当する場合は別途準備が必要となります。

5. 専門家への相談

実際の在留申請にあたっては、産業分類・業務区分の該当性判断や、申請書類の作成など、専門的な対応が求められます。複雑なケースでは、行政書士などの専門家にご相談ください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的なアドバイスを構成するものではありません。個別の状況については、必ず専門家にご相談ください。

まとめ

経済産業省が2026年5月18日に更新した「工業製品製造業分野で外国人の受入れ可能な産業分類・業務区分」ページから、製造業で外国人材を受け入れる際の最新ポイントを整理しました。

  • 受入れ対象は「事業所の産業分類」×「業務区分」の組合せで決まる
  • 産業分類は育成就労76/特定技能1号76/2号46分類が告示で指定
  • 業務区分は2026年1月閣議決定で17区分(1号・育成就労)・3区分(2号)に拡大
  • 追加7区分は経産省告示施行・評価試験実施後に在留申請可能
  • 対応する技能実習2号修了者は2026年6月1日以降、在留申請可能
  • 繊維・印刷・こん包業は協議会措置が別途必要

製造業の現場では人手不足が深刻化する中、外国人材の活用がますます重要になっています。最新の制度を正確に理解し、計画的な準備を進めていくことが、円滑な受入れにつながります。


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参考資料

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